兵庫県伊丹市「世界食糧デー」
伊丹市立南幼稚園(6月28日、親子ワークショップ)、伊丹市立ありおか幼稚園(9月20日、親子ワークショップ)、伊丹市立荻野小学校(9月25日、5年生学年授業)にて、「世界食糧デー」プロジェクトの活動を致しました。
「世界食糧デー」とは、国連が1981年から世界の食糧問題を考える世界共通の日として制定したもので、世界の一人一人が協力しあい、最も重要な基本的人権である「すべての人に食糧を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不足、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的にしています(参照/WFD世界食糧デーについて)。
兵庫県伊丹市では、約10年前より民間の有志による「世界食糧デー」実行委員会が発足し、毎年、啓発活動を行い、2010年からは、幼稚園、小学校での特別授業やワークショップを行い、写真のスライドショー、絵本の朗読、寸劇(スキット)、ゲーム、ディスカッションによる学習を続けています。
FCSも「世界食糧デー」プロジェクトチームの一員として、セブ島の子どもたちの姿や現地の「生の声」を伝え、小さな行動の提案を行っています。当日の子どもたちは、目をきらきら輝かせ、各プレゼンターの話に耳を傾け、考え、話し合い、一人一人が手を挙げて、自分の意見を発言していました。
今回は親子ワークショップに参加された保護者の皆さまからの感想を一部紹介させて頂きます。
—「まだ世界の貧しい人たちのお話は少し早いのではないかなあ、と思いながら参加したのですが、見て、聞いて、考え、彼らなりに発言している姿を見て、ただただ感心しました。」「『余っているから分けるのではなく、必要だけれども分けようという気持ち』とおっしゃっていたことが最も印象に残っています。」「その後、家族で話し合いました。」「今までは、残していた物を最後までがんばって食べきるようになったし、飲みきれないのに大きいジュースを選んでいたのを小さいのでがまんできるようになりました。」「劇的に変わったのは、夕食を残すことがほとんどなくなったことです。家では多くは語らないのですが、子供なりに思うところがあったようです。」「我が家では、ゴミを減らすことを目標にしようと思います。」「言葉だけで伝えるのではなく、実際に目で見たり、実話を聞くことで意識できるのだと感じました。」「子供の変化を見て、小さい頭と心で、何かを感じたんだな、と感心、感動しています。」「子供が自分から『お菓子を買うのを我慢して、その分を海外の子どもたちの為に使ってほしい』と話してくれました。」「今後、親である私が手本となれるように食事できることに感謝の気持ちを示し、食品を無駄にしないように心がけていきたいと思います。」
伊丹市の「世界食糧デー」プロジェクトチームは、伊丹市の子どもたちが、海外の同じ年齢のお友だちに目を向けることを通して、目の前の身近な事柄を考えて取り組むように促されることを願っています。伝えているメッセージは、賢く、優しく、美しい「人」になること。小さな行動の積み重ねが海をこえたお友だちへと繋がって行くと考えています。
20年後の将来、国連やJICA等の海をこえた世界で活躍する日本人の5%が伊丹市出身者となることは果たして起こりうるでしょうか。蒔かれた種が芽を出し、想像をこえた様々な種類の花々を咲かせていきますように。伊丹市の幼稚園、小学校の先生方とともに願っています。